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その5 餅は餅屋

ちょっと前の話になります。
新学期が始まろうとしていた頃のことです。

我が家の子ども達は学校再開の予定で動いていました。
新学期の身だしなみ指導でひっかからないように髪を切りたいと。

身だしなみ指導を忘れていた時は
それはもう 結構バタバタと
理容室や美容室に駆け込むことになります。

髪を長く伸ばしたいと言っていた娘は突然
あっさりバッサリ切りたいと言い出しました。
美容室に行く寸前まで
スマホを片手にあーでもないこーでもないと決めかねていたのに
希望を伝えると、さすがプロ。
1時間後には、ショートヘアの満足そうな娘がそこに居ました。
満足度が高い プロの仕事に感動です。
アバウトな雰囲気だけしか伝えてないのに
自分の希望が通った娘は超が付く程 ご機嫌でした。

さて。
今回はプロの仕事についてのお話。

私たちも写真の世界のプロです。
撮影時、ある程度は任せて欲しいなぁ~というポイントがあったりします。
ごくたまに、譲っていただけないこともありますが
ご希望に添うよう、全力で大切な日をご一緒させていただいております。

例えばどういうこと?
って、気になりますよね。
具体的にお話してみましょう。

ご家族写真をご依頼頂いただいたとしましょう。
あくまで例えばのお話です。
お父さん、お母さん。
お兄ちゃんは中学2年生くらい。ちょっと協力的じゃないお年頃。
真ん中の女の子は小学5年生。弟くんは自由な5歳。5人家族。

こちらのご家族写真をお撮りするとなった時。
みんなのお顔がバッチリ見える典型的なご家族写真と
顔は横顔であまり見えないけど、
ご家族の雰囲気がすごく伝わるようなお写真。
大体、2種類くらいをお撮りします。

いつもの会話が聞こえてくるような
そんな雰囲気作りを目指して撮影をしています。

ところが!
『この辺を散歩している感じ。
 カメラ目線もポーズを付けられるのも嫌だから
 自然な感じで撮ってください。』
とオーダーをされてしまったら、
ご希望に添えるよう、
歩いている様子を撮ることになります。
結果はどうなるか・・・というと。

中学生のお兄ちゃんはつまらなさそうに一人で端っこを下を向いて歩いています。顔は一切見えません。
自由な5歳児 弟くんはどうなっているかというと
お父さんと手は繋いでいるけど、自由です(笑´∀`)
びよ~んと繋がれたお父さんの手に全体重を乗っけてるから、
お父さんはとっても歩き辛そう。
お母さんとお姉ちゃんはすごい緊張。
並んでまっすぐ、ただ歩くだけです。
これはご希望通りの【自然な感じ】なのでしょうか?

世の中で目に留まる理想的な家族写真は
写真という2次元の世界の中に
家族の視線や香り、風や笑い声など五感で感じるものが
生きている世界と同じように 見えてくるから
憧れるのだと思います。
でもそれは理想を追い求めて作ったものです。
散歩中をなんとなく撮って出来上がるものではありません。

【自然な感じ】を求められることが多いですが、
日常をそのまま切り取った写真が全て
【画になる瞬間】とは限りません。

【画になる瞬間】になる最大限のお手伝いをさせて頂いておりますが、
それが自然に見えるのかどうかは私たちの腕の見せ所。
お客様が描く【自然な感じ】に近いお写真をご提供したいと思っています。



餅は餅屋。
・・・というお話し。

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