ギャラリー
まだまだ暑さの残る昨年、夏の終わりでした。 お客様からのご連絡は、お嬢様の成人式前撮りのご相談でした。
「出来れば、子ども達の生まれ育った町で撮りたい」 ということで、ご自宅でお着付けし、ご自宅付近で撮影していくご提案を致しました。 ご家族全員が揃ったお写真やご自宅での撮影もご希望で、仕上がったお写真の中には、ご家族の笑顔と共に今まで重ねてきた思い出も一緒に写っているのではないかと思います。
記念にお写真を撮るということは、撮ることだけに重きを置きがちになってしまいますが、その写真の価値が実感できる日は、きっと、ずっとずっと先です。 今回のお客様から「アルバムを開けたときに当時に戻れる。だからこそ、今の子ども達の成長をきちんと残しておきたい」と、お話して頂きました。 私たちが心掛けている事のひとつに 『撮影の時に笑い、出来上がったアルバムを見て笑い、しばらく時間が経って、もう一度アルバムを開いた時は懐かしくもあり、愛しくも感じられるようなお写真を作りたい』 という想いがあります。 その気持ちが通じた気がして、温かい気持ちで打ち合わせを終えたのが昨年末のこと。
初めて打ち合わせでお会いした時に、詳しくお話を伺うと、おじい様が傘を作られている事を知りました。 実際に見せて頂くと、長く大切に使いたいと思えるような、素敵な傘ばかりで、それならば是非、撮影でも使わせて頂きたいと当日はご用意して頂きました。
打ち合わせの段階で、「ご家族皆さん着物というのも良いですよ」とご案内したところ「折角なので・・・」となり、1日皆様お着物で過ごして頂きました。 お支度が終わって皆さんが揃ってみると、家族で着物っていいなぁ~と見とれてしまいました。
おじい様とおばあ様。 お二人とても仲良しで、会話の端々にお互いを思いやる愛情が溢れるご夫婦でした。
「お二人のお写真も撮らせてください。」 とお願いすると、照れていらっしゃいましたが、快く撮影させて頂きました。
おじい様の作られる傘に囲まれての1枚は、私の思い出の1枚にもなりました。
お嬢様のご希望は、近くの海。そして今満開の菜の花。最後は駅で。 ご本人様が過ごしてきた時間の中で、きっと沢山の思い出を刻んできた場所なのだと思います。 ご家族の皆さんが見てきた景色がお写真の中で永遠になりますように。